登場人物 かずま ひろと こうた
かずま「今日どうする?」
ひろと「俺金無いから、金使わなくて飲めるところが良い~!」
こうた「俺も~。今月使い過ぎたわ」
かずま「じゃあ、宅飲み?」
ひろと「いや、最近宅飲みばっかだし、どっかには行きたいよな」
こうた「あそこにファミレスあるけど、ファミレスって酒置いてあんの?」
俺たちはファミレスも前まで行って、メニュー表を見た。
こうた「あるじゃん!! しかもめっちゃ安いし。
かずま「レパートリー少ないけど、どうするよ?」
ひろと「まぁ、外で飲めるなら良いんじゃね?」
こうた「んじゃ決まりだな!」
俺たちは三人でファミレスに入った。
店員「いらっしゃいませ、自由席となっております! 好きなお席をご利用ください」
こうた「分かりました~!」俺たちは一番奥の席に着いた。
チャララン チャララン チャララン 音のする方を見ると、猫のロボットが食事を運んでいた。
こうた「あの猫欲しくね? 毎日飯運んでくれるぜ?」
かずま「要らねぇよ! 俺たち3人とも1人暮らしだし、家狭いからあんなの居るだけ邪魔だろ」
ひろと「一応くれるか聞いてみるか? これ下さい。って」
かずま「いや、駄菓子屋みたいに聞くのかよ! ってかくれる訳ないだろ! 迷惑な客すぎるだろ!」
こうた「ははっ(笑) 確かに超絶迷惑(笑)」
俺たちはそんなことを話しながらメニューを選んでいた。つまみとレモンサワーを頼んで、わいわい騒いでいると、今まで見たことのない紹興酒(しょうこうしゅ)と言うお酒がメニューにあった。
こうた「なぁなぁ、紹興酒って何?」
かずま「よく分かんないけど、漢字だし仙人が飲む酒じゃね?」
ひろと「俺、小学生の時仙人になりたかったんだよなぁ~。亀のな」
かずま「亀の仙人って、亀仙人じゃねぇか! 悟空に憧れる奴はいても亀仙人に憧れてんのは世界中でお前くらいだぞ」
こうた「亀仙人は紹興酒って酒飲むんじゃね?」
かずま「中国の酒って書いてあるし、何かそれっぽそうだけどさ(笑) 亀仙人が飲むかどうかは分からないだろ。ってか酒って当たり外れあるし頼んで不味かったら嫌じゃね?」
ひろと「いや、いいよ。頼んでダメなら全部俺が飲むから」
こうた「じゃあ決まりだな。ほいっと。頼んだぞ」
それから間もなくして音楽が聞こえてきた。
チャララン チャララン チャララン 音のする方を見ると、猫のロボットが茶色いお酒を運んできて、俺たちのテーブルの前で止まった。俺たちは茶色いお酒を取ると、猫はキッチンへ帰っていった。
ひろと「こ、これが伝説のお酒、紹興酒か!」
かずま「ファミレスで売ってるくらいだから伝説の酒じゃないだろ(笑)」
こうた「何かウーロン杯みたいな色してんな」
俺たちは紹興酒を一口飲んで、斬員が黙ってしまった。
「「「・・・・・・。」」」
そして、ダメなら全部俺が飲むと言っていたひろとが喋りだした。
ひろと「すまん、これ俺飲めないわ」
かずま「俺もだわ」
こうた「全部飲むとか言ってたけど、流石にこれを全部飲ませるのは申し訳ないな」
紹興酒はまだ大学生のお酒を飲み始めたばかりの3人には合わなかったようだ。
こうた「これどうするよ?」
ひろと「残して帰るのは悪いしなぁ~」
チャララン チャララン チャララン 三人は猫のロボットが食事を運んでいるのが目に入った。
こうた「猫に食わせとけばいいんじゃね?」
かずま「いや、猫に食わせるってどういうことだよ」
こうた「あの猫さ、体が棚になってるじゃん、そこにしれっと置いて来ちまうってのはどうだ? って事」
ひろと「いいねぇ、それ! あの猫、紹興酒大好きそうな顔してるもんな」
かずま「怒られねぇかそれ?」
こうた「物は試し、やってみて怒られたら全員で全力で土下座して、『土下座させる程、怒ってはいない』って思わせればいい」
ひろと「なるほど、頭いいなお前!」
こうた「まぁな、今なら東大にでも受かる気がするぜ!」
かずま「いや、こんな酔っ払った状態で東大受かる訳ないだろ」
ひろと「酔ってなくても無理なんだよなぁ~」
こうた「なぁ知ってるか? 東大生って脳みそ3個あるらしいぜ!」
ひろと「そうだったのかぁ~。そりゃ1個しかない俺たちは東大に入れないわけだ」
かずま「東大生脳みそ3個もねぇよ! お前も何で信じてるんだよ!」
こうた「とりあえず、猫呼ぶためにつまみ頼むぞ」
かずま「うい、何でもいいから適当なもん頼んでくれ」
チャララン チャララン チャララン 猫がつまみで頼んだメンマを運んできた。
「「「今だ!」」」
俺たち3人は紹興酒を猫の体にある棚に入れ込んだ。
ひろと「ありがとう猫ちゃん、紹興酒処理班になってくれて」
こうた「あの猫、紹興酒大好きって言ってたぞ」
かずま「本当に怒られないかこれ」
こうた「大丈夫だ。だが、土下座する準備はしとけよ」
その後何分経っても店員さんが怒りに来る様子はなかった。
ひろと「これさ、猫の体に不自然に棚がいっぱいあるけど、食い終わった後の要らない食器入れていく場所なんじゃね?」
「「確かに!」」かずまと、こうたは同時にそう言った。
こうた「またつまみと酒頼むから、要らない皿全部入れてみようぜ」
「「おっけ!」」かずまと、ひろとは同時にそう言った。
チャララン チャララン チャララン 猫がレモンサワーとメンマを運んできた。
かずま「お前またメンマ頼んだのかよ!」
ひろと「それはもういいから、早く皿入れろ」
俺たちは食べ終わってからになっている皿を全て入れた。その後、猫は何事もなかったかのようにキッチンへ帰っていった。
こうた「これで怒られたら、土下座だな」
かずま「本当に大丈夫か?」
ひろと「でもさ、店員さんが片付けに来る手間が省けるし、大丈夫なんじゃない?」
こうた「確かに! 俺ら店の作業に貢献したってことだな!」
ひろと「店員さんが賞状持ってきてくれるかもよ?」
かずま「賞状貰うくらいなら飯代ただにしてほしいわ」
その後も店員さんが怒りに来ることはなく、無事に会計をして店を出た。
後日知ったのだが、
※当社では、お客さまの食事が終わった適切なタイミングで、従業員が食器をお下げするサービスを目指しており、使用済みの食器は、従業員がお下げします。従って、配膳ロボットに使用済みの食器を載せることはご遠慮いただきたいと思います。
とのことでした。皆さんはマネしないようにお願いいたしますm(_ _)m
以上ライトノベルの短編でした!長編は執筆途中です!
noteもやってます!是非読んで下さると嬉しいです!
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