すまねぇみんな、晴陽(はるひ)だよ!
関係ない短編小説になるんだけど、ぱっと思いついたからメモ書き程度に書いておこうと思ってさ、ぜひ楽しんでいってくれ!
タイトルは特に決めてなかったけど、『織田信長のガチの時』って感じでいこうかな?よろしこ!
織田信長と秀吉2号との出会い
森の空気は湿り気を帯び、土と苔の匂いが鼻の奥にまとわりついていた。枝葉の隙間から射し込む陽の光は細く、地面には影が縞模様を作っている。
その森の中を、まるで散歩でもするかのように堂々と歩く男がいた。
その男の名は織田信長である。
堂々としているのは歩き方だけではない。背中に漂う圧、視線の鋭さ、そして何より「自分が正しい」と疑っていない態度。どこをどう切り取っても天下人の器だった。
その後ろを、徳川家康が一定の距離を保って歩く。慎重に足元を見て、時折周囲の気配を探る。戦の場で鍛え上げられた警戒心が、森の静けさの中でも緩むことはない。
さらにその後ろ。足取り軽く、時に走るようにして殿の横へ出ては顔色を伺う男が羽柴秀吉である。
秀吉は笑顔を張り付けたまま、心の中では不安が渦巻いていた。
(殿が森へ視察……これは何かの前触れか? 新たな戦か? それとも……機嫌が悪いだけか?)
秀吉がそんなことを考えていると、家康が小声で言った。
「秀吉殿。殿は今、何か考え事をされておる。余計なことは言わぬ方が良い」
「わ、分かっております! わしだって空気くらい読みます!」秀吉は胸を張った。
その直後、信長が突然足を止めた。
家康も秀吉も止まり、二人は殿の視線の先を追う。
そこには木々が密集し、少し開けた場所があった。葉がざわざわと揺れ、上から何かの鳴き声が降ってくる。
「キーッ! キーッ!」
「ウキィーッ! キーッ!」
枝の上にサルの群れがいた。
十匹、いや、もっといる。二十匹ほどはいるだろう。枝から枝へ飛び移り、木の実を投げ、騒ぎ散らかしている。まるで森の王国が一斉に宴を始めたようだった。
秀吉は眉をひそめた。
(サルか。まあ、珍しくはないが……)
信長はその光景をじっと見つめ、まるで戦場の敵を見定めるような目をしていた。そして、ぽつりと呟いた。
「秀吉がいっぱいおるのじゃ……」家康は一瞬固まり、すぐに咳払いをした。
「殿、サルでございます」信長はゆっくりと頷いた。
「そうじゃの、完全に秀吉じゃ」
「違います!!」
秀吉は信長の近くに行きこう言った。
「殿!!あれはわしではございません!!」信長は振り向かず、木の上を見たまま言った。
「いや、見よ。あの顔、動き、そして、うるささ」それを聞いた秀吉はこう言った。
「うるささって何ですか!?わしの判断基準ですか!?」
サルたちはさらに騒ぎ、枝を揺らしてキーキー鳴いていた。
家康は深くため息をついた。
(殿の中で、秀吉=サルが完全に成立している……)
信長は突然、腕を組みながら呟いた。
「しかし妙だ」家康が警戒する。
「何が妙なのでございますか?」信長は木の上の群れを指さした。
「どれが本物の秀吉か分からぬ」秀吉が信長の前に出て訴えた。
「殿、あれは全部わしではございません!わしはここにおります!秀吉はここです!」秀吉の抗議もむなしく、信長は真顔のまま全く動じなかった。
「いや、秀吉はいつも目の前にいるとは限らぬ。影のように動く。策のように現れる。そういう男だ」
「何かカッコよく言ってますけど、あいつらを見みて、見たまんまのこと喋っているだけじゃないですか!」秀吉が叫ぶと、家康は「秀吉殿、落ち着け」と目で合図を送った。しかし秀吉は止まれない。
「そうか、おぬしはそう思うか」信長はサルの方へ向かっていったので、家康が慌てて前へ出た。
「殿、危険です! 普通に噛まれます!」信長は平然と言った。
「秀吉が噛むのはいつものことだ」
「わしは噛んだ事ありあせんよ! 殿に嚙みついたことは一度もありません!」
「今かみついているではないか?」
「そのかみつくではないのよ!何ならそのかみつくも今日が初めてなのよ!」
「まぁいい、いつもの事だ!がーっはっはっは!」信長は聞く耳を持たず、木の根を踏み越えてサルの群れへ近づいていく。家康は頭を抱えた。
(天下の行方が、サルに左右される日が来るとは……)
秀吉は必死で追いかける。
「殿! 殿! 待ってください! あれはただのサルでございます!わしではございません!」
信長がさらに近づくと、サルたちは一斉に騒ぎ出した。枝が揺れ、木の実が雨のように落ちてくる。
「キーッ! キーッ!」サルたちは危機感を感じたのか、各々が一斉に逃げ出した。
枝から枝へ飛び移り、木々の奥へ散っていく。信長はその様子を見て声を張った。
「秀吉が逃げたぞ!」
「逃げたのはサルです!わしじゃありません!」秀吉は叫んだ。
しかし、信長にその叫びは届かなかった。そして、信長の目は1匹のサルを追っていた。
群れの中でも特に、やたらと動きが素早いサル。逃げる方向がまっすぐで、なぜか堂々としている。信長はそれを指さした。
「あれだ。あれが本物の秀吉だ」
「殿!! 違います!」家康が叫ぶが、信長は走った。
まるで獲物を狙う獣のように地面を蹴り、草を踏み、木の根を飛び越えていく。信長の足は速かった。天下を狙う男の脚力は、戦場だけでなく森でも発揮されるらしい。
サルは枝に飛びつこうとしたが、その瞬間、信長が腕を伸ばし、ガシッと掴んだ。
「キーッ!!」サルが悲鳴を上げて暴れる。爪が空を切り、足がばたつく。
しかし信長は微動だにしていない。
「捕まえたぞ秀吉。いや、秀吉2号!」信長は勝ち誇ったようにそう言った。
家康が駆け寄り、必死に止めようとする。
「殿! そいつは秀吉でも秀吉2号でもなくただのサルです」秀吉も同時に叫んだ。
「殿! そいつは私2号ではなくサルです!!」
信長はサルの顔をじっと見つめ、それから秀吉の顔を見た。
そして、眉をひそめた。
「うむ、完全に秀吉じゃ!がーっはっはっは!」
その後、信長は縄を取り出し、捕まえたサルを縛り上げた。サルは抵抗するが、信長の手際は妙に良い。戦場で捕虜を扱う経験が、まさか森のサルに活かされるとは誰も思わない。
信長は肩にサルを担いだ。
「帰るぞ。秀吉2号を連れてな」
「殿がわしをサルと呼んでいたのは、本当にわしをサルだと思っておられたのか!?」家康は秀吉の肩に手を置き、静かに言った。
「秀吉殿、諦めよ」
「諦められますかい!」秀吉は叫びながら、殿の後を追った。
屋敷へ戻った時の家臣の反応
屋敷へ戻るころには夕刻になっていた。
門の前には家臣たちが並び、殿の帰還を待っていた。いつもなら威厳ある空気で迎えるはずが、今日は様子が違った。信長が担いでいる「サル」について、家臣たちはみな理解不能だったからだ。
信長たちが近づくにつれて家臣たちの顔が徐々に固まっていく。
「……殿?」
「な、何を……?」
「まさか新しい軍略……?」
信長は堂々と門をくぐり、漫勉の笑みでこう言った。
「秀吉が2人になったのじゃ!がーっはっはっは!」
家臣たちの視線が、信長の肩のサルと、地面に立つ秀吉を行ったり来たりする。
秀吉は慌てて前へ出て家臣たちへこう言った。
「わしじゃない!そいつはわしじゃない!」家臣の1人がこう言った。
「お二人は野生のサルを使って、こうも簡単にふざけるられるのでありますね、お見事でございます!」それを聞いた他の家臣も顔を見合わせ、笑みを浮かべた。
「お見事でございます!」その場は拍手に包まれた。
家臣たちが拍手をしている間にサルが「キーッ!」と鳴いて暴れ、縄を引きずって走り回った。庭の石をひっくり返し、置かれていた桶を倒し、水を撒き散らす。
家臣たちは笑ってサルを見ている。
そして、信長は腕を組んでその様子を眺めている。
「落ち着きがない秀吉じゃのう」
「殿‼ 殿‼ 殿ぉぉぉぉ~」秀吉が涙目で叫ぶ。それを見た家康が前へ出て叫んだ。
「皆の衆!本日をもって織田家存続の危機とする!」家臣たちはざわついた。
「存続の危機・・・・・・⁉」
「ふざけていたんじゃないのか⁉」
「いや、家康様もふざけているのでは?」
「私はふざけてなどいない!」家康が家臣たちにそう言うと、家臣は深刻な表情を浮かべて、秀吉とサルを見交互に見た。
信長はその混乱すら楽しむように笑った。
「案ずるな。秀吉が増えただけだ」それを聞いた秀吉はこう言った。
「殿がイカれ・モラハラ・ちょんまげ・パワハラ・上司に、なってしまった・・・・・・。」
家康は頭を抱え、静かに呟いた。
(戦に勝つより、殿を納得させる方がはるかに難しそうだ)
次の日
翌朝。
信長は評定の間に家臣を集め、堂々と宣言した。信長の横には逃げないように縄でぐるぐる巻きにされて横たわっているサルがいる。
「では本日をもって、秀吉は二人だと認識する。働けサルども!」信長がそう言った直後、秀吉が即座に飛び出した。
「スーパーパワハラ発言・イカれ・ちょんまげ野郎‼」信長は涼しい顔で言った。
「二人になったからな、働いて働いて働きまくってくれ!がーっはっはっは!」
「高市早苗は自分が働くつもりで言っています!普通にパワハラです!あと、わしからしたらめっちゃモラハラです!」
秀吉がそう言ったのを見て、家康は心の中で静かに呟いた。
織田家は多分、そう遠くない未来で・・・・・・、天下統一に失敗するだろうなぁ・・・・・・。

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