異世界は魔法の世界で 4章 ~カザス森林~

ギャグ

[カザス森林]

「あそこにいるリスは魔物か?」

「あれはただのリス」

「そうか。あそこにいる鳥は?」

「ただの鳥」

「そうか。あそこにいるウサギは?」

「ただのウサギ」

「そうか。あそこにいるイノシシは?」

「ただの魔物」

「そうか。あそこにい・・・・・・ただの魔物?」

 彼方がアリサの方を振り返ると、丁度光の化身がイノシシを倒したところだった。

「彼方よくあんな遠くにいるの見つけられたね」光の化身がドロップしたアイテムを持って戻ってきたので、アリサは核を自分のカバンに入れた。彼方は光の化身に牙と角を渡されたので、それをカバンに入れた。

「魔物以外の動物を攻撃したら罰金とかあるのか?」

「特に規則とかはないけど、倒しても何にも意味ないから倒さないよ。次の人がここ通った時に死骸を見ることになるじゃん。魔物なら消滅するけど、普通の動物は消滅しないから他の人の迷惑になるよ」

「なるほど、確かにそれだと見つけた生き物を手当たり次第に攻撃するのは良くないよな。・・・・・・たださ、あそこにいるどでかい鳥は多分魔物だと思うんだよな」彼方は木の上の方を指さした。

「何もいないと思うんだけど」

「あそこの茶色いのだよ。木と同じ色のやつ」

「え、そんなの分かる訳ないじゃん。ここら辺で木の色と同じ色の鳥がいるって聞いたこと無いし。大きい鳥なら魔物だと思うから、とりあえず伝雷撃ってみれば?」

「分かった。大きいから強めに撃ってみるよ」

 彼方は手に力を入れて伝雷の雷を溜めようとした。しかし、あまりにも溜まるのが遅かったので、体に電気を纏う雷光を使えばより早く威力のある伝雷が撃てるのでは? と考え、雷光も起動した。

「「「雷光」」」

 手にものすごい勢いで電気が溜まりだしたので、彼方は自分でもびっくりしてしまった。

「や、ヤバイヤバイヤバイ。」

「「「で、でん、でん、でんら、伝雷」」」

 彼方は伝雷が完全に溜まり切っていないまま、でかい鳥めがけて撃ち込んでしまった。伝来の速度は速く、鳥にあたった時に一瞬チカッと光り、眩しくて目を若干逸らしたが、次に上を見た時にはそこにでかい鳥の姿はなかった。

「何やってるの! めちゃくちゃに撃ったらダメでしょ! こら!」

「ま、まあ、当たったんだし良いじゃんか」

「当たったの? じゃあいいけど、折角強いのが撃てそうだったんだから、最後までちゃんと溜めてよね」

「わ、分かった。次からそうする」

 こんなに威力が出ると思わなくて自分でもびっくりだったんだよな。まあ、次は驚かないと思うが・・・・・・。雷光を起動してから、伝雷溜めると最大でどのくらい溜まるんだろうか。

「ドロップアイテム落ちて来ないね」

「あ、そう言えば確かに、木に引っかかってんのかな?」

「ゆけ、彼方。君に決めた!」

「何を決めたの? 登って取って来いってこと? 僕の事ポ〇モンだと思ってたの?」アリサは地面にハンカチを引いた。

 アリサのやつ、何としても登らない気だな。だったら僕も仮病を使って

「突然足が痛くなってきた。あの高さ登るのはこれだと流石にキツいかぁ残念だなぁ」

「じゅるじゅるじゅる~」アリサは座ってお茶を飲みだした。

「あたし、どこにいたか分からなかったもん。じゅるじゅる~」

「一番上からちょっと下くらいなんだけど」

「じゅるじゅる~。分かんな~い」

 このガキ! あんな高さ登って来いってのか! 落ちたら絶対死ぬぜ? 

#(ハッシュタグ)木登り大嫌い

「しょうがない、登って来てやるからしっかり感謝しろよ」

「せーのっ、(小声) は~い!」

 適当に返事しやがって。『せーのっ』って言ったのが聞こえてんだよ! まあしょうがない。こいつ見えてなかったみたいだし僕が行くけどさ。

 彼方は木に登り始めた。

「うっ、十六歳で木登りって意外と大変なんだな。体が重い」

「が~んばれ~!」アリサからは一定のトーンでの頑張れが聞こえて来る。この応援で本気で頑張ろうと思うのは無理があった。

「これ足踏み外したら骨折じゃ済まされないぞ。・・・・・・そうだ、雷光使えば腕の力も上がって登りやすくなるのでは?」

「「「雷光」」」

 彼方はもう一度雷光を起動した。

「おお! サクサク登れる。雷光って便利だな」彼方は木の上の方まで登ると、そこに核はなく、黄金色の羽根が四枚落ちていた。

 すげぇ綺麗だな。核が無いから倒せてなかったんだろうけど、伝来が当たった時に衝撃で羽根が抜けたのか。ん? 僕が見つけた鳥って茶色だったよな。・・・・・・まあいいか。

 彼方は羽根をカバンにしまうと、アリサのところに戻った。

「お帰り、何かあった?」

「核はなかったけど、羽根があったぞ、これ」彼方はさっきの羽根を一枚取り出した。

「何これ、見たことない」

「僕も見つけた鳥とは違う色の羽根だと思ったけど、あったから持ってきた」

「それ多分相当ヤバいやつかも」

「なに、ヤバいってどういう事? 絶滅危惧種とか、保護対象動物とか? もしかして罰金されたりとかする?」彼方は逮捕されることばかりが頭をよぎった。

「ううん、その逆。これ多分鳳凰(ほうおう)の羽根だと思う。この森の守り神みたいなもん。黄金の体で簡単には倒せないって言われてるの。何十年も目撃情報もなかったし」

「僕が見た奴は茶色だったけどな」

「多分、自分の姿を変えられるのかも。この羽根は伝雷が当たって抜けたから、元の色になってるだけだと思う」

「なるほど。これっていくらで売れるんだ?」

「ちょっと待って、調べてみる」アリサはスマホを取り出した。

 スマホか。まあ、そうですよね。普通にテレビあるし、普通にスマホとかありますよね。魔法があるってだけで地球と同じ物いっぱいありますよね。

「なんか、分からないかも」

「え、何で?」

「なんか、偽物が出回りすぎてて本当の価格が分からない」

「ちょっと見せて」彼方はアリサからスマホを借りた。

 なるほど。五万~十万いかないくらいか。偽物でそんだけ高いなら本物はもっと高いんだろうな。ただ、本物って保証が無いから買い取ってもらえるか分からないし、これは今日の軍資金の頭数に入れない方がいいよな。

「ねぇ彼方、一回この羽根は閉まっておいてさ、もうちょっと魔物狩ってから帰ろ?」アリサも同じ考えだったらしく、彼方たちは先に進むことにした。

「あ、そうそう彼方」

「ん? 何だ?」

「鳳凰に傷つけられるくらいの威力は出てるみたいだし、弱い魔物じゃなくてもとおくの魔物に攻撃できるように伝雷溜めながら進んで。見付けたらすぐに撃って。ドロップアイテムは光の化身が取って来てくれると思うから」

「分かった。そうする」彼方は雷光を使って伝雷を溜めたが、雷光を使ったままだと、歩く時に一歩が大きすぎてアリサと一緒に進む事ができなかった。

「もう、彼方のバカ。鬱陶しい。前に来たり後ろに行ったり、ちょろちょろすんな!」

「しょうがねぇだろ、雷光起動すると一歩がこのくらいなんだよ」

「だったら溜まったら雷光解除しろ。伝雷なんかすぐ貯まるだろ!」

「アリサ頭良いな、そうするわ」彼方は雷光を解除した。

 木の上など、遠くにいる鳥の魔物は彼方、近場のイノシシやクマなどの魔物はアリサが狩っていった。

「彼方、そろそろ帰る?」

「ああ、できればそうしたい。手首が痛くてさ。腕も筋肉痛だよ」

「じゃあ、ここで休憩して帰ろ。この道を真っすぐ進んで右に行くと森から出られるから」

「了~解!」

 彼方がドロップした肉を焼いていると、突然その場所が日陰になった。不審に思い空を見上げると、黒い塊が落ちてくるのが分かった。

 何だあれ、じゃない! とにかく今は、

「「「雷光」」」

 彼方は雷光を起動させた。

「オルァァー!」岩の上で座ってじゅるじゅる~ と、お茶を飲んでいたアリサを掴むと思いっきり横に跳んだ。

 彼方が飛んだ直後に、ドン! っと、空から謎の黒い物体が降って来て、地面のその黒い物体めがけて赤い物体がのしかかった。

「あの黒いのと赤いのは龍だな。黒い龍と赤い龍が戦ってるってことか」

今回はここまでになります!!

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